現役店長に訊く、人気インターネットショップの秘訣
(2009/09/16)
第335回 茶道を広め、茶道を楽しみたい
2,432 部
尾道・藤原茶舗 様
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□□ ご挨拶
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こんにちは!
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
初めてのみなさま、数あるメールマガジンの中から選んでくださり、
ありがとうございます。
本メールマガジンは、バックナンバーも公開しておりますので、ぜひ
ご覧ください。
http://www.tencyo.biz/
今回のゲストは、前回に引き続き、尾道・藤原茶舗 様です。
それでは、一緒に教わりましょう。
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■■ 基礎データ
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【店名】 尾道・藤原茶舗
【住所】 広島県尾道市土堂1丁目1-13
【URL】 http://www.fujiwara-chaho.co.jp/
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■■ 店長のホンネ(2)
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|ネットショップ開店前と後で、何が一番変わった?
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自分が一番、変わりました。
尾道というところは、東京と比べて情報格差がある地域で、お店の
お客様の年齢も70代以上の人との接触が多く、若い人の考えは、まず
却下されます。
そんな古い伝統が息づいている世界にいて、自分と考えが似た若い仲間
と出会い、意見交換をしていくうちに、自分自身のこれから先の夢、
人生の目標が明確になってきました。
ネット経営を通じての仲間、知人がどんどんと増え、結婚してゆっくり
と暮らすはずだったのですが、今が一番、忙しくなっています。
もし一歩を踏み出さなかったとしたら、たくさんの人間関係はできな
かったと思います。
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|その他、何か特筆すべきエピソードはありますか?
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一度、主人に連れられて京都の有名なお寺の猊下にお目もじかなった
ことがあります。凄く緊張して、大きな広間の端に座っておりました。
主人の仕事が終わりますと、猊下が、
「そんなところに座っていないで、こちらにいらっしゃい」
とおしゃってくださいました。それだけで緊張なのに、御自ら
「お抹茶と羊羹」をお出してくださいました。
本当に信じられないくらい感動したことを覚えております。
そして、いつどこで、どんな出会いが待っているかわからない世界を
実感し、自分を磨くことの大切さを痛感した次第でございます。
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■■ CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)
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|CSR活動も活発にされていますね?
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当初は、HPに載せる商品をどうするか方向性が決まらず、地域で
起こった出来事や、当店の地域活動を載せていました。
今、考えれば、これがCSRの基礎になりました。
そのページをこちらにまとめました。
http://www.fujiwara-chaho.co.jp/hpgen/HPB/entries/491.html
当店は、今の場所で、茶道具とお茶の専門店として、お仕事をさせて
いただいて約100年です。
先代は、京都に行くには、前日の夜に出発。
半日、汽車に乗って、朝、京都の駅で
うどんを食べて、問屋さんを歩いて回ったと聞いています。
そのような時代から、地元のお客様に愛されて、お店を営ませて
いただいてきた地域への恩返し。
当店の地域貢献事業として、自分ができること。
それは、「日本文化の素養をそなえた人材を尾道から出したい」と
いうことでした。
http://www.fujiwara-chaho.co.jp/hpgen/HPB/entries/366.html
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|具体的には?
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当店は、茶道や、能などの日本文化の伝承のお手伝いをさせていただ
きたいと願っています。そして、将来を担う若い人に日本文化の伝承
のお手伝いをさせていただくだけでなく、経済人としての簿記教育も
身につけて欲しいと思うようになりました。
簿記を知識を身につけて、社会で働き、海外で活躍をされるように
なったときに、日本文化の素晴らしさを語れる人になっていただきた
いという思いから、この講座を地域貢献事業の一つとして開講する
ことにさせていただきました。
尾道から世界に羽ばたいて行って欲しいと願っています。
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|大学でも教えておられるのですね?
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私自身、関西で簿記のおもしろさを知り、結婚を機に、尾道に帰って
税理士試験にチャレンジをしました。
店、主婦、介護、大学院、専門学校のWスクールと、今考えればよく
クリアできたと思いますが、
「早く、結果を出して受験勉強を終わらせたい」一心で、頑張りま
した。(笑い)
合格と言われた時は、喜びより、「やっと、受験から解放される」
という安心感が大きかったです。
それから縁あって、地元の大学の非常勤講師をすることになり、
「簿記」を教えています。
今は、店、家庭、介護、大学の講師、ネット販売と、息をつく暇も
ありません。
その合間に、CSRをというのは、一見、難しいようにも見えますが、
実は、若い人のパワーをいただく、リフレッシュの場になっています。
学生のアンケートで、二足のわらじで稼いでいると言われましたが、
税金、自分の負担を考えると、利益を狙う人は、やらないほうが良い
かもしれません。(笑)
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|文化庁の「市民からの文化力」プロジェクトにも登録されていますね?
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文化庁の「市民からの文化力」プロジェクトでは、
「尾道ヨミガタリの会」として登録をしていただいております。
http://www.bunkaryoku.bunka.go.jp/shimin/hot_report.html
この活動は、尾道ゆかりの人の本を自分の言葉で読んでいく会です。
発音とか、上手に読む会ではなく、間違ってもいいから、最後まで
声を出して読む会です。
例えば、森光子さんの『放浪記』が二千回を達成され、関東から多くの
林芙美子さんファンが、尾道にいらっしゃる。
でも、尾道の商店主は、林芙美子さんの本を読んだこともない。
興ざめですね。
林芙美子像の設立は、当代が若かりし頃、店を閉めて市や、
県を駆け回って設置をしました。
当代は、十年以上も前に商店街の理事長を受け、
「レトロな街づくり」を目指していました。
時期的には、少し、早かったようですが、林 芙美子像は、
今では市民に愛される存在になっています。
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|2008年6月からの活動だそうですね?
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この、本を読むという地道な作業を行う人は、正直、少なく、心細い
思いで、一年間の活動を続けました。
始まって一年目に、文化庁から活動報告をあげてくださいという連絡
がありました。お受けしたあとに、のぞいたHPは、皆さん、NPO法人や
組織化された団体で、あらためて自分の活動の小ささに尻込みしそうに
なりました。
しかし、そこに光をあててくださって、活動報告のレポート提出を
言ってくださった関係者の方の後押しがあってからこそと、感謝して
います。
以下は、過去の活動報告です。
http://www.fujiwara-chaho.co.jp/hpgen/HPB/categories/40199.html
このように、尾道の地域に根ざし、尾道を愛する日本文化の素養を備え
た経済人の輩出。これが、当店の社会的責任と位置づけております。
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■■ 読者へ一言
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|今後の目標、夢などを、どうぞ。
└――――――――――――――――――――――――――――――――
自分で茶道を教えて広めていくこと、そして、主人と一緒に茶道を
楽しみたいと思っています。
広めていくことは、上でも申し上げましたとおり、
「日本文化の素養をそなえた経済人を尾道から育てる」ことにつながり
ます。
世界中飛び回って、尾道に帰ってきたときに、世界中の素晴らしい
出来事を尾道に還元してほしい。という願いも込めています。
基本は、自分が楽しいこと。
数寄者の世界など、茶道は奥は深く、そのためのお勉強やお茶会など
楽しみたいと思っています。
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|これからインターネットショップを立ち上げようとしている方に対し
|て、一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――
ネット販売は、実は、とてもアナログは仕事であるということです。
そして、孤独な作業であるとも感じます。
仲間を作るということは、孤独な作業から少しでも解放されるという
ことですね。
限られた時間ですから、目的意識を高く持った仲間を作り、
仲良く意見交換をすることをお勧めします。
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|一般消費者に対して一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――
最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。
このような本格的なインタビュー形式は初めてだったので、自分の店
を見直す良い機会になりました。
これを機会に、当店のことが皆様の心の片隅に、ちょこっとでも残って
もらえれば、嬉しいです。
読んでくださいました読者の方のみに、感謝の気持ちを込めまして、
2009年9月30日までにご注文をいただきましたお客様には、消費税5%
をサービスさせていただきます。
ただし、必ず『インタビューを読んだ』と、書き加えてください。
後で金額を修正したメールを送らせていただきます。
尾道にいらしゃったおりには、お店のほうにも、是非、お立ち寄り
ください。
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|最後に一言。
└――――――――――――――――――――――――――――――――
最後になりましたが、「ありがとう」は、世界一美しい言葉だと
思います。
「ありがとうございます」という感謝の気持ちを持って、
目の前の人を笑顔に変えることができるように、明日からも頑張り
ます。
今回、このような貴重な経験をさせてただきました、
博國屋 山崎周亮店長様、本当にありがとうございました。
http://www.hirokuniya.com/
皆様、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
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□□ 編集後記
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尾道・藤原茶舗 様、ありがとうございました。
> 自分で茶道を教えて広めいくこと、主人と一緒に茶道を楽しみたいと
> 思っています。
> 広めていくことは、上でも申し上げましたとおり、
> 「日本文化の素養をそなえた経済人を尾道から育てる」こと。
> 世界中飛び回って、尾道に帰ってきたときに、世界中の素晴らしい
> 出来事を尾道に還元してほしい。という願いも込めています。
> 基本は、自分が楽しいこと。
> 数寄者の世界など、奥は深く、そのためのお勉強やお茶会など楽しみ
> たいと思っています。
ご自身が楽しみ、それをネットで情報発信することが、茶道を広めて
いくことに繋がり、ネットショップにも良い影響を及ぼすと思われま
す。
これからの発展が楽しみです。
(後略)